「5歳からムエタイを続けてきたのは、このためだった!」重森陽太、世界的強豪セーンマニーとの一戦に懸ける覚悟「勝つ以外の選択肢はない」
10月23日「KNOCK OUT.69」で、世界的なムエタイの強豪セーンマニー・ノー.プムマリンと対戦する重森陽太。当初予定されていたラムナムムーンレック・ティーデッド99との対戦から、急きょ相手が変更。新たに決まったのは、重森自身が以前から試合映像を見てきた、ムエタイ界屈指の実力者だった。
セーンマニーの代名詞ともいえる左ミドルキックについて、重森は「世界一」とまで評価する。
「彼の左ミドルは世界一じゃないですか。あれは、多分対策はできないと思うんですよね」
それでも、勝負を諦めるつもりはない。5歳からムエタイを始め、夏休みもタイのジムで練習を重ねてきた。友達と遊ぶ時間も、テレビを見る時間も我慢して、ひたすら強さを追い求めてきた。
そんな重森にとって、セーンマニーとの対戦は、これまでの格闘技人生の答え合わせともいえる一戦だ。
「5歳からムエタイを始めて、ずっと毎日練習してきたのは、このためだったんだなという感じすらしてます」
圧倒的な実績を持つ相手だからこそ、失うものはない。これまで培ったムエタイの技術を総動員し、真正面から勝利を狙う。
「勝つ気は100%です」「そもそも勝つ以外の選択肢がない」
さらに重森は、この試合で世界的強豪を超える瞬間こそが、観客の心を動かすと語る。自身の格闘技人生、そしてKNOCK OUTの実力を世界に示すために。大一番を前に、重森陽太が胸の内を語った。
セーンマニーとの対戦決定「まさか、ここで交わり合うとは」
──もともとムエタイの強豪ラムナムムーンレック・ティーデッド99選手との対戦が決まっていたところに、カード変更で相手がセーンマニー・ノー.プムマリン選手になりました。重森選手にとっては「まさかの」という感じだったのでは?
重森 そうですね。まさに、「まさかの」でした。それこそセーンマニーって昔からいる選手だし、階級もすごく軽いところからずっとやり続けていて。去年かな? ラジャダムナンでライト級を獲ったりしてましたけど、何となく、軽い階級の選手というイメージが強かったので。
プラス、「ここで交わり合うのか!」といったところで「まさか」という感じはありましたね。
──それこそ、試合映像とかは以前からずっと見てた感じですよね、きっと。
重森 もちろん見てました。
けっこう前に、ONEで健太さんとやった試合の動画が、かなり再生回数が伸びたと思うんですけど、その試合がかなり印象に残ってますね。
「セーンマニーの左ミドルは世界一」
──参考にした部分もありますか?
重森 いや……彼は左ミドルが強すぎるので、日本人は真似しない方がいいと思うんですよ。彼のような蹴りは蹴れないと思うので。それこそ、タイ人特有のミドルキックを持ってるなという感じですね。
──では、憧れたりもしていなかった?
重森 とてもあんな風には闘えないんですけど、憧れは、何となくあるかもしれないですね、確かに。ムエタイをやってる選手は、たぶんああいう試合をしたいと思うものなんですよ。左ミドル1本で漬けてしまう、みたいな試合を。
ある種の理想というか、「アレができたらカッコいいよな」という感じではありますね。
──なるほど。
重森 私も、右ミドル、左ミドルとどっちも蹴れますけど、ミドルキックだけで試合をコントロールして勝てるようになりたいなと思った時期は、今思い返すと、確かにありました。
でもやっぱり、私はセーンマニー選手のようにはできなかったですね。
──その相手と実際闘うことになったわけですが、どうしようと考えていますか?
重森 やっぱり、彼の左ミドルは世界一じゃないですか。
あれは、多分対策はできないと思うんですよね。かといって、気持ちよく蹴らせることはさせないようにしようとは思ってます。一応私もムエタイ歴は長いので、ある程度、そういったミドルキックだったりへの対策は、他の日本人と比べてもかなりできる方だと思うので。
そういった、今まで培ってきたムエタイの技術を総動員したいと思っています。
「今まで培ってきたムエタイの技術を総動員する」
──やれることは全部やると。
重森 たぶん、一つじゃダメなんですよね。私はディフェンスとか流しの引き出しが多い方だと思ってるので、それを一つに絞らず、こだわらずにやれればと。例えば「カットする」とかって決めちゃうと、カットできなかった時におかしくなっちゃうと思うんですよ。でも相手が彼だと、逆に「そんなカットなんてできねえだろ」って割り切れるので。
いろんなことを試しながら闘わないといけないなと思うので、何か、この一戦ですごく成長できるような気がしています。
──ある意味、今までムエタイでやってきたことの答え合わせでもあるし、この先の成長の一歩でもある、みたいな。
重森 そうですね。全くその通りだと思います。
「勝つ気は100%。たぶん、勝つと思います」
──今、勝つ自信ってどれぐらいあるんですか?
重森 勝つ自信か……。今回に関しては難しいな。
自信というか……勝つ気は100%です。
「自信」って言われると分かんないんですけど、「何か、勝つんだろうな」って思ってます。
──「何か」。
重森 はい。やっぱりメチャメチャ強い選手だし、テクニックもあるし、もう覚えられないぐらい、いろんなタイトルを獲ってるじゃないですか。MVPも何度も獲ってるし。でも、何か、勝てる気はするんですよね。だから、自信あるのかもしれない(笑)。
たぶん、勝つと思います。
──勝つところまでの過程については、どういうビジョンを持っているんですか?
重森 それこそ、私が倒されなくて、意識が飛んでない限りは、常に諦めずに闘おうと決めてるんです。そうしたら勝つんじゃないかという感じはしてますね。それこそ格上でありすぎてくれたおかげで、私も行くしかないので。ここまで実績が離れてくれると、やりやすくてしょうがないですね。
勝てると思います。
──潔く行ける、みたいな?
重森 そうですね。どんどんチャレンジできるし、たぶん、相手に攻撃を当てられても1ミリも焦らないし。だって、そんなキレイにディフェンスできるわけないですから。だからそこは、泥臭く頑張れるんじゃないかなと思うし、気持ちの面でしっかりと闘っていければ勝てんじゃないかと。
はい。私はたぶん、あんまり心が折れるタイプじゃないので、ここまで吹っ切れられたら、全然いけるんじゃないかなと思ってます。
「5歳からムエタイを続けてきたのは、このためだった」
──もちろん、「記念対戦」みたいなことでは全くないと。
重森 全くないですね。
というか、5歳からムエタイを始めて、ずっと毎日練習してきたのは、このためだったんだなという感じすらしてますから。
このキャリアの中で越えておきたい壁だなと思っているので、ちょっと覚悟が違うかもしれないです。腹が決まりすぎて、自信とかいうレベルじゃないですね、もう。
そもそも勝つ以外の選択肢がないというか。
──それだけの心境なんですね。
重森 そうですね、ここで1回ゴールが切れる気がしています。今までやってきたことが間違ってなかったというか、ここにたどり着くために頑張ってこれたんだなと思うと、今までの努力が報われるような感じがしますね。私はずっとムエタイをやっていて、夏休みの記憶っていうのがほとんどないんですよ。
ずっとタイのジムにいたので。
「友達と遊びに行きたいな」とか思う時期もあったし、毎日、夜の6時から9時ぐらいまでトレーニングしていたから、夜のTV番組も見たことがないんです。
当時は録画もできなくて。そういうのも全部我慢して、ここまで練習してきたんですよ。
そういうことを全部ひっくるめて、セーンマニー選手を倒したら、何か、納得できる気がします。
「KNOCK OUTのリングなら勝てる」
──それほどの相手との対戦が、カード変更でいきなり決まるというのが、また……。
重森 いやあ、ドラマチックですよね(笑)。しかもKNOCK OUTのリングで。これがラジャダムナンだったら、絶対勝てないんですよ。
でも、KNOCK OUTのリングなら勝てると思うんですよね。
それこそ、オープンフィンガーグローブというのもあるし。あと、やっぱりKNOCK OUTの雰囲気というか、文化というか、お客さんの求めてるものだったりっていうのが全てマッチして、勝てる環境が整っているような気がしています。
「本物を超える瞬間こそ、人の心を動かす」
──自分の土俵ということですね。そして今大会は、UNLIMITEDでも話題のカードが多く組まれてるじゃないですか。そこにも負けられないみたいな意識はあったりしますか?
重森 いや、別物だし、別に比較対象にならないですね、そもそも。
もちろんUNLIMITEDもメッチャ面白いんですけど、やっぱりお客さんが心を動かされるのは何かというと、本物を超える瞬間だと思うんですよ。
それが一番、人が感動する瞬間なんじゃないかと。このノンフィクションの感動っていうのは、この試合でしか出せないんじゃないかなと思ってるので。もちろん、これは私が勝たないと成立しない話ではあるんですけどね。
私が勝って、それを見せることができればいいなと思ってますね。
──それほどの試合だということですね。
重森 でも、両方必要だと思うんですよ。今回のUNLIMITEDの試合も、メチャメチャ面白いじゃないですか。みんな見たいだろうと思うし、実際、記者会見もメチャメチャ面白かったですよね。でも、それだけじゃダメだと思うんです。私とセーンマニー選手みたいな試合も絶対面白いと思うんですけど、それだけじゃダメで。そういう塩梅がちゃんと取れてるKNOCK OUTって、1大会全体としてすごく楽しめるだろうなとは思ってます。
この試合順とマッチメイクで、10月23日は、神興行になるんじゃないかなと思ってます。
欲を言えば、メインでやらせてほしかったですけどね。
「メインにつなぐために、会場を盛り上げたい」
──それはありますよね。
重森 私がメインになって、しっかりと締める自信もあったし。メインは新田(宗一朗)君と軍司泰斗選手になりましたけど、これも軍司選手が普通に勝っちゃうと面白くないんですよ。この一戦をメインに持ってきたんだったら、新田くん、勝ってよ!って感じはしますよね。
じゃないと、私がメインをやった方が絶対面白くなってたと思います。
──それだけのものを見せてくれよ、と。
重森 安定を取るんだったら、メインは私だと思うんですよ。私は今回、頑張って勝ちますし。でも、メチャクチャ盛り上がって大爆発するのは、新田君次第なんじゃないかと思ってて。だからね、実は今回のKNOCK OUTはけっこう賭けに出たのかなと思いますね。
なのでメインは任せて、いいバトンをしっかりと渡せるように会場を盛り上げて、メインにつなげられたらいいなと思ってます。
「セーンマニーを超え、KNOCK OUTのレベルを世界に示す」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
重森 やっぱり、この世界のトップどころを連れてきました、というところですよね。たぶんセーンマニーって、KNOCK OUT史上一番の選手だと思いますよ。今まで旧体制のKNOCK OUTを含めていろんなタイ人が来ましたけど、このセーンマニーを超える選手はいなかったと思います。あとはセーンチャイとかブアカーオぐらいしかいないでしょう。そのレベルの選手を呼んでいただけたので、長く続けてきたムエタイの総仕上げとして、ちょっと超えておきたい壁だなっていうふうに思ってます。
格闘技って、満足してやめることはできないものだと思ってたんですよ。
──そうなんですか?
重森 何かしら、ちょっとモヤモヤが残ったまま「引退か……」となると思ってたんです。でも、ここで勝ったら満足してやめることができる気がしてるんです。いや、「36歳までやる」って決めてるので、すぐにやめるようなことはないですけど。でも何か、いい現役生活の終わりを迎えられる第一歩になるなと思ってるので、ここは確実に獲って、KNOCK OUTのレベルの高さも世界に示したいなと。
面白いカード、注目カードが多い中で、玄人が喜ぶような試合をしたいなと思ってますので、ぜひご注目ください、という感じですね。
──分かりました。ありがとうございました!
PROFILE
重森 陽太
所属:KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年6月11日
出身地:東京都稲城市
身長:181cm
戦績:
キック戦績
63戦 46勝 (21KO) 11敗 6分
MAROOMS presents KNOCK OUT.69
開催日時:2026年10月23日(金)
開場: 17:00
開始: 17:30
開催場所:後楽園ホール
https://knockoutkb.com/events/marooms_presents_knock_out69

