「俺があの中国人を倒したら面白いじゃないですか!」
11・1「THE KNOCK OUT FIGHTER.6」の[THE KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED-60.0kgトーナメント準々決勝/3分3R]でタン・フォンと対戦する瑠夏。これまで他団体でキックの実績を積み、昨年末からはMMAで戦っている瑠夏は、そこでの反省から今回、UNLIMITEDへの出場を決めたという。その胸に秘めている覚悟とは?
──記者会見の時に、UNLIMITED参戦の理由について「MMAをちょっとかじったからというお話をされていましたよね。もう少し詳しく聞かせていただいていいですか?
瑠夏 僕はずっとキックをやってたんですけど、近くにあったMMAのジムの方もよくしてくれたので、本気でMMAをやってみたいと思うようになりまして。最初はアマチュアからやろうって言ってたんですけど、その協力してくれる方が「FIGHTING NEXUSさんでデビュー戦が組めそうだ」と。なのでプロでやってみようという話になったんですね。プロの試合に出るからには本気でやろうと思って、そこからやりたかったMMAを本気でやり始めたという感じです。
──では、キックボクシングは一区切りという感じなんですか?
瑠夏 いや、俺はまだキックもやりたいんです。やりたいなと思っていたMMAで、急にチャンスが巡ってきたというだけで。
──実際、MMAの試合はどうですか?
瑠夏 難しすぎますね(笑)。思ってたよりも全然難しいです。決してナメてたわけではないんですけど、やっぱり寝かされたら終わるの?という感じになっちゃって。本当はもっと打撃を打てたんじゃないかなあ、って思いましたね。練習ではもうちょっとテイクダウンやタックルの対応とかもできてたのに、試合になったら全然できなくて。漬け込まれたら、MMAをやってきた人間からしたら俺なんて簡単なんだろうなあって思っちゃったし。
──MMAって、そもそもやること多いですからね。そこからUNLIMITEDへというのは?
瑠夏 俺、もうMMAで3戦してるんですよ。2戦目は地元・新潟での修斗の大会でやらせてもらったんですけど、1戦目と同じような負け方をして、「まだ対応できないのか俺は!」と思って。またそこからメッチャ練習したんですけど、3戦目も同じような負け方をしまして、見事に。「まだ足りんのか」と思って。俺はどこまでやってもダメなんじゃないかなと思ってたところに、UNLIMITEDルールはテイクダウンあり、寝てからの攻防ありで寝技がなしというのを知りまして。まずここでやってみるというのはありじゃないかなと。まずここをクリアできなければ、俺は寝技なんて到底無理だろうと思いまして。そのチャンスがあるなら、やる価値はあるんじゃないかって言われたので、ぜひ一回やってみたいと。
──なるほど。
瑠夏 そのトーナメントの選考会があったのが、MMA3戦目の翌週だったんですよ。でも俺はUNLIMITEDをやりたかったので、2戦目が終わった時点でまた同じ負け方をしていて、3戦目はどうなるか分からなかったですけど、どうなろうと俺はチャレンジしたいからやらせてくれ、お願いしますっていう感じでUNLIMITED をやろうって決めましたね。
──それって、まさにUNLIMITEDルールができた意義というか目的というか、そこにすごく合った話ですね。
瑠夏 それを、俺もKNOCK OUTの中の人から聞いたんですよ。そもそもMMAに行こうとしてるヤツらのためにUNLIMITEDを作ったと聞いたので、じゃあまさに、俺がやりたいことなんじゃんって思って。本当にそう思いましたね。MMAは漠然と、いつか挑戦したいと思っていたのが急にやり始めちゃったもので、MMA でどうなりたいとかはハッキリしていなかったんですね。なので今はUNLIMITEDで花を咲かせたいなと思ってますね。
──今回の準々決勝は「外国人とやりたい」と語っていた希望も叶って、タン・フォン選手に決まりました。
瑠夏 希望かどうかっていうとちょっとアレなんですけど(笑)。確かにそう言ったは言ったんですけど、あの会見の時って、みんなが「栗秋祥梧選手とやりたい」って言うだろうなと思ってたんですよ。そうなったら、また栗秋かみたいな感じでつまんないかななんて思って、じゃあ俺はちょっと違うこと言ってみようと。1人海外勢がいたので、ちょっと引っ掛けてみようかなと思って言ったら、こんなことになっちゃいました(笑)。
──なっちゃった(笑)。
瑠夏 実際、怖くて仕方ないです(笑)。でも正直、やってみたかったのは確かなので。だからいろいろなチャレンジを込めた意味でも、これでよかったんじゃないかなって思ってます。
──対戦が決まって、試合映像とかは見ましたか?
瑠夏 映像が全然ないんですよね。いろいろ調べてもらったり、自分でも探したりしたんですけど、見つけられなくて。だから行き当たりばったりで行ってみようっていう感じです。
──何となくでも、描いているイメージとかはありますか?
瑠夏 硬いだろうなと思ってて。硬いっていうのは、「丈夫」っていう意味で。たぶん、今まで味わったことない圧力だったり、硬さがあって、「こいつ倒せるのかな」って途中で思っちゃうのかなとか。パンチをもらって、「これはすごいな」って思っちゃうのかなとか。すごくいろいろ考えるんですけど、硬いだの何だの関係なく、先に倒せばいいやと。自分の気持ちを見せようと思ってます。
──これまでの試合で、そういう思いをしたことはありますか?
瑠夏 これまでの試合だと。俺は「絶対倒す」だとかあんま思わなかったんですよ。「面白い試合がしたい」ということばかりを考えてきたので。「この選手はこういうタイプだから、打ち合って面白い試合をしたい」とか「バチバチやって観客が喜んだらすげえ楽しいだろうな」っていう観点でしか俺は考えてなくて。ただ、今回はちょっと違いますね、その点は。
──というと?
瑠夏 「この中国人を俺が倒したら面白いんじゃないかな」って思ってます。だから今回は判定で勝つとかじゃなくて、もうシンプルに倒したいですね。
──理想としてはどう倒したいですか?
瑠夏 理想はもう、ストレートをズドーン!です。ズドーンで落ちてもらって、追撃する前にレフェリーに止めてもらって。
──あとはそれを現実にするだけ?
瑠夏 そのチャンスがあればいつでもズドーン!を狙います。
──瑠夏選手は今回、「ダークホース」という言い方が合っているのかどうか分からないですが……。
瑠夏 それでいいんですよ。その「ダークホース」って全然いいと思います。俺は「何だこいつ、何か変なヤツだな」って思われてるぐらいがちょうどいいというか。俺がひっかき回したいなと思っています。嫌われたくはないですけど(笑)。「何だこいつ?」っていう入り方は、いいなって思います。それで「面白いじゃん」って思われたいですし。いいアピールができたらいいなと思いますね。
──今回勝てば12月30日もありますし、優勝すればタイトル挑戦権も得られます。先ほどのお話では、UNLIMITED は継続してやりたい?
瑠夏 呼んでいただけるなら。僕はずっとRISEでやらせてもらっていて、またメジャー団体に食い込めるようになっていけたらいいなという感じですね。KNOCK OUTさんはメジャー団体じゃないですか。自分なんかもう離れていくばかりなのかなと思ってたんですけど、こうやってチャンスをもらえたので爪痕を残したいし、今後もぜひ使ってくださいという感じです。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
瑠夏 気持ちです。何てったって気持ちですね。もしかしたら中国人がハチャメチャに強くてボッコボコにされるかもしれないですけど、でも俺は諦めたくないので。非現実的なところをしっかりと見せたい。誰かの心を動かせるファイターになりたいので、そういうところを見てほしいですね。
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
瑠夏
所属:KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺 生年月日:1997年7月24日生 出身:新潟県新潟市 身長:174cmrn戦績:17戦9勝(7KO)6敗1分1NCrn

